登山専用の靴下選び。一泊登山は保温性、吸湿性、サポート性重視!

快適で安全に登山する為には靴下選びが大切。真夏を除けば薄手よりもサポート性の高い厚手の登山専用靴下が良い。その理由は保温性や吸湿性、速乾性、衝撃吸収性などが一般の靴下より格段に優れており、万一の時でも足を守り快適に登山が出来るからです。


登山専用靴下が大切な理由

登山で靴下は怪我防止と快適性を高める為に大切です。理由は以下の通りです。

■怪我防止




  1. 衝撃吸収性
    険しい坂道や岩場を歩く登山靴は、靴底が一般の靴よりはるかに固く頑丈です。普段の靴下や薄手のスポーツソックスでは、地面から受ける衝撃を吸収できません。登山用靴下は足底や足首、指への衝撃を吸収し和らげてくれます。特に、長時間歩き続ける縦走登山などでは、足の疲労度を格段に軽減します。
  2. サポート性
    山中での長時間の歩行は、足全体が疲労し、捻挫等の可能性を高めます。山中での歩行不能は、独力での下山を不可能にします。捻挫などを防ぐ為に、足首まで確実にサポートしてくれる登山用靴下が必要です。

■快適性を高める


  1. 吸湿性と速乾性
    夏山シーズンに炎天下、長時間の歩行で、登山靴の中は蒸れます。蒸れた状態で歩き続けると足の指は、ふやけて皮が剥けやすくなり、靴擦れを起こしやすくなります。適度に汗を吸収し、乾いて、指先を保護する事が登山用靴下には求められます。
  2. 保温性
    夏山でも標高が高ければ、気温は10度以下です。また、一泊以上の登山では、足全体が疲労します。疲労で血流が滞ると、冷えを招きます。放置すると行動不能になる可能性が高まります。その為、靴下にはしっかりした保温性が求められます。






選び方のポイント

色やデザイン以外に登山用靴下を選ぶ大切なポイントは以下の4点です。

■素材で選ぶ


靴下の素材は一般的に次の4種類が使われ、登山用靴下は各種機能を満たす為に、ウールと化学繊維の混紡で作られている物が多いです。

  1. 綿
    汗を良く吸収しますが、発散・乾燥しにくいので登山用靴下には向いていません。
  2. 化学繊維
    速乾性に優れ、安価ですが、吸湿性が他に比べてやや劣ります。
  3. ウール
    吸湿、発散の能力が高いです。肌触りがチクチクしていますが、メリノ種の羊から取れる最高級品の「メリノウール」は繊維が細かく、不快感は有りません。保温性が更に優れ、下着の素材に使われる程です。ただ、ウールは乾きが化繊よりも遅いです。
  4. ウールと化学繊維の混紡
    ウールと化学繊維を混紡して織り出した新素材。ウールと化学繊維の良い所を組み合わせて作られ、登山用靴下に広く利用されています。

■厚さで選ぶ


登山用靴下は厚さによって「厚手」「中厚手」「極厚手」「薄手」に分かれています。縦走登山や一泊登山では、衝撃を吸収出来るよう「厚手」又は「中厚手」にしましょう。ただし、季節や気温に応じて、厚さを変えると良いでしょう。真夏の炎天下ではなるべく、薄い方が蒸れにくいですが、登山靴とのマッチングも関係するので、中厚手から厚手のものが良いでしょう。

■サイズで選ぶ


靴下がシワにならず、きつすぎないサイズを選びましょう。サイズの大きすぎる靴下は余分のシワが出来てしまい靴擦れを起こします。逆に小さすぎる靴下は足先が痺れて疲れます。前もって自分の足のサイズを計測したり、試着してフィット感を確かめたりする事がポイントです。

■足先で選ぶ


登山のスタイルによって通常のものと5本指登山靴下を履き分けると良いでしょう。
【5本指登山靴下】

メリット

  1. 指先が蒸れない
  2. 指同士が擦れてまめになりにくい
  3. 指を自由に動かせるので地面に踏ん張れる

デメリット

  1. 指先が布でかさばり靴幅一杯になり、自由がきかないです。
  2. 縦走登山や冬山登山には不向きです。



おすすめの靴下5選

■スマートウール「PhDアウトドア アプローチクルー」


登山用靴下としてまず一押しがスマートウール社の販売している「PhDアウトドア アプローチクルー」です。スマートウールという素材を用いた登山用靴下で、中厚手タイプの靴下。スマートウールの素材はウールが約70%、化学繊維が約30%で使用されています。ウールの保温性と化学繊維の速乾性、吸汗性を併せ持つ登山用靴下ですが、一番の特徴はそのサポート性の高さです。「PhDアウトドア アプローチクルー」に採用されている「4ディグリーエリートフィットシステム」は、足の甲を交差しながらホールドすることで、足のフィット感を一層高めています。中敷きには程よい厚さの「ライトエリートクッション」を足裏全体に配置することで衝撃吸収性と耐久性が一段と向上。したがって登山用靴下に求められているサポート性、保温性、吸汗性、速乾性の全てを兼ね備えた究極の登山専用靴下と言えます。使用範囲は幅広く、日帰りの低山ハイクはもちろん一泊登山や縦走登山にも十分対応できる優れものです。ズレにくく確かなフィット感を与えてくれる「PhDアウトドア アプローチクルー」。スマートウール社が自信をもって発売している逸品です。

サイズ
M、L


全2色

素材 
ウール、ナイロン、ポリウレタン

■ノースフェイス「テックソックス トレッキングDH メリノライト」


ノースフェイス社は高機能と洗練されたデザインで人気の高いブランドです。その中でもテックソックス トレッキングDHメリノライトは、特に吸汗性・速乾性に優れた登山専用靴下です。速乾性の高いポリエステルをベースに、調湿機能のあるメリノウール繊維を巻き付けた素材は、化学繊維とウールの長所を同時に兼ね備えています。登山専用のソックスとして、その作りも実に工夫されています。すねの部分には保護パッドが縫い込まれ、ハイカットブーツにも十分対応できる靴下です。また、足のかかとやアーチ部分には、保護する為の専用の縫製技術が用いられ、素材と相まってサポート性能を格段に高めています。テックソックス トレッキングDHメリノライトは厚みも十分あり、高所登山にも十分対応できるモデルです。オールシーズン使用することが可能なモデルと言えます。ぜひおすすめの登山専用靴下です。

サイズ
XS、S、M、L


全4色

素材 
メリノウール、ポリエステルなど

■キャラバン「RLメリノレトロトレッキング」


吸湿性で特に優れているのが、キャラバン社のメリノウール「RLメリノレトロトレッキング」です。キャラバン社は日本人の足形の特徴をとらえ、足形に合わせた構造の登山靴や登山用靴下を製造販売しています。長めの丈の登山靴下は一泊登山にも最適です。キャラバン社が販売しているRLシリーズのソックスは、足の指先や足甲の幅、高さと角度などを考慮し計算し尽くした立体設計の「R×L」製法が最大の特徴です。靴下とは言え、左右が決定されており、つま先の指先端の感触や、足全体を包み込む履き心地が抜群です。材料も吸湿性が最も良いメリノウールが使われ、強度と速乾性を増す為に化学繊維も混紡されています。吸湿性に優れた「RLメリノレトロトレッキング」ですが、そのクッション性、サポート性、保温力にも目を見張る実力があります。素材にはメリノウールをふんだんに使用しています。履き口からくるぶし上の足首部分は「ルーズフィット構造」※が採用され、足先への血流促進に役立っています。パイル編みの布地は足全体を優しく包み込み、快適な履き心地を感じさせてくれます。
※「ルーズフィット構造」とは、衣服がゆったりしていて、しかも体に合っている状態。従ってここでは靴下がゆったりしていて、足の形に合っている構造

サイズ
S、M、L


全4色

素材 
メリノウール、アクリル、ポリエステルなど

■モンベル「メリノウール サポーテック トレッキング ショートソックス」


衝撃吸収性の良さでおすすめがモンベルの「メリノウール サポーテック トレッキング ショートソックス」。夏場の一泊二日登山には最も向いている登山用靴下の一つです。ショートソックスのため、夏の炎天下でも蒸れにくく、かつ吸湿性も抜群なメリノウール製です。製造元は、登山用品やアウトドア用具メーカーのブランドとして確固たる地位を築いている国産メーカー「モンベル」社です。足首周りのサポート性やかかと、つま先部分の補強された布地の感触は、登山者に履いている安心感を与えてくれます。耐久性の良さとフィット感は他のメーカーと比較しても、ショートソックスの中ではダントツです。良い品物を長く使いたいと考えるなら、ぜひモンベルの「メリノウール サポーテック トレッキング ショートソックス」をおすすめします。またモンベル社の登山用靴下は、高機能でありながらも他社に比べて値段も手頃であり、買い求めやすいのも特徴です。

サイズ
S、M、L


全4色

素材 
メリノウール

■ファイントラック「ラミースピンソックス クールアンクス」


速乾性と吸湿性に優れている登山用靴下なら、ファイントラック社が製造している「ラミースピンソックス クールアンクス」がおすすめです。特に2日以上連続して歩き続ける一泊登山では、足の蒸れや湿気が気になります。「ラミースピンソックス クールアンクス」はショートソックスモデルの代表として、夏場の登山シーズンにぜひ履いていきたい登山用靴下。ファイントラックは、性能を重視した登山用靴下を世に送り出しているメーカーとして有名です。登山愛好家に根強い人気を誇るブランド「ファイントラック」。その中でも「クールアンクス」は抜群の速乾性と吸汗の性能を持っています。速乾性と吸汗性を向上させる為にラミーとポリエステルを素材に採用。ラミーとポリエステルを使用する事でクーリング性能高め、履いていても涼しさを実感できます。夏場のトレッキングでもドライでクールな履き心地がユーサーの心を鷲づかみにします。また、クールアンクスは自転車競技やランニングにも使用が可能なほど汎用性があり、登山用靴下としては最も着用をおすすめしたい靴下の一つです。

サイズ
XS、S、M、L


全1色

素材 
ポリエステル、ラミーなど






まとめ


  1. 登山では怪我防止の為に登山専用靴下を必ず履く。
  2. 登山用靴下には「保温性」、「吸湿性」、「速乾性」、「衝撃吸収性」、「サポート性」が必要
  3. 登山用靴下の選び方のポイントは布地の素材と厚さ、サイズと形状
  4. 特におすすめの登山専用靴下は「スマートウールPhDアウトドア アプローチクルー」