自動車で快適登山!レンタカーで縦走。自家用車で車中泊

時間と宿泊先の制約を受けずに自由気ままに登山を楽しむ為には、自動車利用が便利で効率的。自家用車なら気軽に車中泊が可能。遠出するならレンタカー&鉄道利用が便利。縦走登山もタクシーなら下山口も設定自由。自動車利用で登山のバリエーションはより豊かになります。




登山口への最終アプローチ手段、自動車

登山口へは自動車での移動となる場合が多いです。バス・自家用車・レンタカー・カーシェア等の選択肢が有ります。それぞれの特徴は以下の通りです。

■バス


「東京-上高地直行便」などのように、便利な路線が国内各所に複数設定され、利用料金が最も安価です。ただし、運行時間の制約が大きいことが難点。また、本数や運行期間も限られる上に、登山口まで路線が無い場合もあります。利用の際には、事前に十分な下調べが必要。

■自家用車


自家用車の最大のメリットは「車中泊」が出来る事です。前夜に登山口駐車場に予め到着しておく事で、翌日の登山開始時刻を早める事が可能となります。また、混み合う駐車場であれば、前夜の到着で確実に駐車出来ます。着替えの場所として利用出来て、交通費や宿泊費の節約にもなります。

■レンタカー


電車や飛行機等と併用する事で、運転時間を短くする事が出来ます。長時間の運転後の登山は負担が大きいからです。JAFによると1日の総走行距離の限度は高速道500km、一般道250kmが目安です。

■タクシー


登山口と下山口が異なる登山プランでは、タクシーが最適です。自家用車だと、同じ登山口に戻って来る必要があるからです。尚、タクシーは事前に予約しておきましょう。

■カーシェア


24時間利用可能です。営業所等の営業時間に縛られないので、登山でなるべく早く出発したい時などに有効。大手三社はタイムズカープラス、カレコ、オリックスカーシェア。いずれも、月会費が1000円程度かかります。予約はアプリを利用。

登山ならこの自動車がおすすめ

■車中泊に最適の車『トヨタ ランドクルーザープラド』


国産自動車メーカー最大手の「トヨタ自動車」が世界に誇るSUV(注)ランドクルーザープラド。1990年から発売開始。現在は4代目ですが、悪路走破性と信頼性の高さからトヨタのフラッグシップモデルの一つ。クロスカントリー車として走破性が常に話題をさらってきましたが、2015年から発売されているディーゼルターボ車のエンジン出力と安定性、そして居住空間の広さは特筆ものです。おすすめグレードはもちろんTZ-G(2.8Lディーゼル車)。7人乗りの室内はセカンドシート、サードシートが凸凹のない完全平面フルフラットシートです。 段差のない平面シートは身長180cm以上の大人二人が、余裕で横たわることが可能であり、車中泊で登山するには最適の車です。
注:SUVとは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の略称。

ランドクルーザープラド

基本データ

総排気量
2.7Lと2.8L

価格
TXガソリンエンジン車(353万8080円~)ディーゼル(536万3280円~)

おすすめグレード
TZ-G(クリーンディーゼル)

■燃費が良く経済的な車『トヨタ CH-R』


遠出の山登りに出かけるなら、走行性と燃費の良さで国内販売車ダントツの人気を誇るのがトヨタCH-R。優れた操縦安定性と高剛性のボディーフレームは圧倒的な静粛性と意のままに気持ちの良い走りを可能にしています。こだわり抜いたペダルフィーリングから生まれる思い通りの良い加速感とパワーは、ドライバーの長時間連続運転を可能にしました。特筆すべきはその燃費性能。先進のハイブリッドシステムは1.8Lエンジン・2WD(2輪駆動車)なら燃費消費率は30.2km/L。ひと時代前では考えられないような低燃費かつ122馬力という高出力性能を持った自動車です。また、驚くべき燃費の良さは、流線型のボディによって生まれる空力性能。標準装備のリヤスポイラーを初めとして。エクステリヤから床下の形状の全てが空力性能を高めたおかげで、普通車では到底実現できなかった低燃費を実現。

トヨタCH-R

基本データ

総排気量
1.8Lハイブリッドモデル

価格
1.8L S LEDパッケージ2,670,000円~

燃費
30.2km/L(JC08燃費)

■悪路でも走破できる車『スバル XV』


フラッグシップ「レガシー」を初めとする「走りのスバル」。レガシーの魂を受け継ぐモデルが「スバルXV」。XVとは「Crossover(X-over) Vehicle」の略称。スポーティーな流線型の丸いボディと洗練されたデザインが注目を浴びているクロスカントリー車です。スバル車のステーションワゴンは、代々フルタイム4WD(4輪独立駆動)が売りですが、XVも例外ではなく、悪路走破性では群を抜いています。路面の状態や走行状況に応じて、前後輪に最適なトルク配分を可能にした「アクティブトルクスプリットAWD」を採用し、優れた走行性を実現。雪道の発進や荒れた山道の登坂でもタイヤの空転を起こさない制御システムを搭載し、山奥にある登山口へのアプローチを可能にしています。優れた操縦安定性と悪路での走破性は、登山するものにとって頼もしい自動車の一つです。

スバルXV

基本情報

総排気量
1.6L 1.8L

価格
213.84万円~282.96万円

燃費
15.0km/L~19.2km/L(JC08燃費)

駆動方式
AWD(常時全輪駆動)

■コンパクトながら積載量十分な車『ホンダN-BOX(エヌボックス)』


ホンダN-BOXは技術の「本田技研工業」が、2011年発売したハイルーフの軽自動車。販売直後から数々の賞を受賞し、ホンダ4輪販売史上大ヒットを記録した看板車種。N-BOXの特筆すべき魅力の一つが積載量の多さです。軽自動車ながら、後部シートを完全にフラットにした場合の空間の広さは、他の軽自動車とは比較になりません。軽自動車の中では最も低いフロアを実現し、荷物の出し入れも簡単です。凹凸のない完全にフルフラットなシートは車中泊にも最適であり、単独行の登山には最適。価格も200万円を切っており、維持費の低さと相まって登山愛好家にとっては注目すべき優れものの自動車の一つです。登山に必要なザックやウェアはもちろん、テントや炊事道具などあらゆる道具を持ち運ぶことが可能。

ホンダN-BOX

基本情報

総排気量
0.7L

価格
138万円~197万円

室内寸法
長さ2.240m×幅1.350m×高さ1.400m

登山のおすすめ自動車活用方法

登山をしていく上で、自動車をいかに上手く利用するかが重要なポイントの一つ。車中泊を快適にするグッズや、レンタカー並びにタクシーの利用法、カーシェアリングのメリットをご紹介します。

■車中泊ならフルフラマットで快適睡眠


●PAVONI「カーエアーマットレス」
「ホームプラス」が販売しているPAVONIのカーエアーマットレスなら車中泊はもちろん、キャンプ時にテント内の快適な睡眠を実現してくれます。車のシガーライター電源で使用できる電動専用エアーポンプが付属品で付いており、女性でも安心して空気注入が可能。縦1880mm×横1450mm大のエアーマットレスに、専用のマットレスタオル(縦1400mm×横700mm)が付属品として梱包されています。特にエアーマットレスは、フラットに倒した車のシートにぴったり乗せられるよう、サイド部分が絞って裁断。使用中のズレを防ぐ形状です。大人二人が余裕で横たわることの出来る、優れものの車中泊用エアーマットレス。モスグリーンで汚れにくいマットレスと焦げ茶色のマットレスタオルは、登山やキャンプで車中泊する際の必需品です。

PAVONIのカーエアマットレス

基本情報

商品名
PAVONIのカーエアマットレス

価格
5,900円(アマゾン)

販売元
ホームプラス

■レール&レンタカーで北海道大雪登山


●「トレン太くん」
最寄り駅までのチケットとレンタカーをセットで予約することが可能で、同時に申し込めばJR切符が割引になるお得なセットプランです。
申込手順は以下の通り。

  1. まず、ネットでレンタカーを予約。
  2. 駅の窓口でレンタカー券と一緒に切符を購入すると割引が適用されます。
  3. 最寄り駅近くの指定されたレンタカー営業所で車を借りて、そのまま出発です。

利用条件は下記の3つです。

  1. JR線の営業キロを片道・往復・連続で201km以上利用すること。
  2. 最初にJR線を利用し、出発駅から駅レンタカー営業所のある駅までの営業キロが、最短でも101km以上離れていること。
  3. JR線の利用と駅レンタカーの利用が「連続している」こと。

割引例
大人二人分の「東京~新潟」間の新幹線往復チケット代42,280円が35,760円に割り引かれ、「6,520円」もお得です。このチケット代にレンタカー料金が上乗せされるというシステム。利用人数が多くなればなるほど割引される金額も大きくなります。

【お問合せ先】
JR駅レンタカー 「全国電話予約センター」 フリーダイヤル 0800-888-4892
営業時間 平日 9:00~18:00 土日祝日 10:00~18:00

■南北40km飯豊山脈全山縦走ならタクシー利用


福島、新潟、山形の県境にある「飯豊山脈」。この山脈を南北に全山縦走するには約41km以上の山行が必要です。登山口と下山口が異なるので、タクシーが最適です。

行程

行き
JR磐越西線「山都駅」→(タクシー)→川入登山口(福島県)

帰り
大石登山口→(タクシー)→JR米坂線「越後下関」(新潟県)

所用日数
最低4泊5日
※登山口と下山口を一緒にすると10日間以上かかり、非現実的。

■登山でカーシェアをうまく使うポイント


24時間いつでも利用可能なカーシェアリング。活用のポイントは以下の通りです。

  1. 下山後
    レンタカーと違い、返却都度、車内掃除は入りません。下山後、乗車する際には、登山靴やスパッツ、登山ズボンに付着した泥や汚れは可能な限り落としてから乗車しましょう。
  2. 利用時間
    利用時間は、予定の登山行程より少し長めにしましょう。次の予約が入っていると延長出来ず、無断延長として通常の2倍の料金等のペナルティーがあるからです。登山ではケガやトラブル等に備えて予備の時間を用意しましょう。
  3. キャンセル
    天候によって登山を中止することも大切です。梅雨時など週末毎に天気が崩れる場合があるからです。予約は、各社とも2週間前から可能です。利用率が高い車もあるので、早めに予約しておき、1週間前に天気予報は確認して、ダメな場合は早めにキャンセルしましょう。
  4. ルール
    各社とも禁煙、ペット同乗禁止です。また、運転は会員のみです。非会員の登山仲間が運転すると保険や保証制度が適用されません。下山後は疲れているので、こまめに休憩を取って運転しましょう。尚、会員同士であれば、手続きした上で運転交代が可能なので、複数人で会員登録しておくと安心です。

まとめ

  1. 登山には車中泊できる自動車利用が便利で経済的。
  2. 鉄道とレンタカーの組み合わせで遠出の登山も可能。
  3. 登山口と下山口が違うならタクシー利用がベスト
  4. カーシェアリングを含め、自動車利用で登山のバリエーションはより豊かで経済的に。