登山動画の作り方!人に見てもらうための鉄則を知ろう

面白い登山動画の作成には鉄則があります。登山の思い出を動画で保存しても、退屈な動画では再生数が伸びず、自分で見返すこともありません。この記事では、Youtubeの再生回数が多い動画を参考に、人に見られる登山動画の作り方を解説します。

他人に見てもらえる登山動画とは

登山の記録を動画として残す場合、1つの目標として「他人に見てもらえる」ような動画を目指すと良いでしょう。なぜなら、見るのが苦痛な動画の場合、自分で見返すこともしなくなります。他人が見たくなるような動画なら、自分でも見返したくなるので、いつまでも記憶が残ります。ここでは、そのような動画を作成することを目標にしていきます。

■Youtubeで再生回数上位の動画を参考にする


他人が見たくなるような動画を作成する時、もっともシンプルな学習方法が有ります。それは、Youtubeで再生回数上位の動画を参考にすることです。Youtubeの再生回数上位の動画は、プロが作っているような高度なものが有ります。撮影機材や、編集ソフトでプロに太刀打ちすることは不可能です。ですが、素人が真似できるポイントはいくつもあり、動画作成のレベルを上げるには、チェックするべき教材です。




■再生時間はなるべく短く


他人に見てもらう動画を作成するなら、鉄則が1つあります。それは「再生時間をなるべく短くまとめること」です。プロのYoutuberの動画は、10分以上の長さになっていることが多いですが、素人の動画は、まず5分以内にまとめましょう。これには理由が有り、動画は10分以上にすることで、広告を多く入れることが出来るからです。プロは仕事でやっていますので、広告収入を得なければいけません。その為に、長い動画を作っても、視聴者を飽きさせない工夫をこらします。ですが、視聴者の立場に立った場合、長い動画を見ることは、それだけ時間を奪われるということです。視聴者の気持ちは「この動画に、この時間を割くだけの価値は有るか?」と揺れ動いています。短い動画ならば「じゃあ、見てみるか」と再生してくれる気持ちになりやすいです。

■表現方法の鉄則


ここでは、再生数上位の動画を参考に、表現方法の鉄則を見てみましょう。

●JINさんの「劔岳」

2泊3日の劔岳山行を動画にしたものです。再生時間が長いにも関わらず、驚異的な再生回数を伸ばしています。写真や動画の技術が素晴らしく、美しい景色で見る人を楽しませてくれます。同行者との会話形式で、情報を楽しく伝えてくれるのも参考になるポイントです。編集のリズムも考えられていて、長い再生時間も気にならず、つい見てしまう動画です。

●山と珈琲さん

丁寧な語り口で、登山の情報を教えてくれる動画です。動画を見る人は、その山の情報を調べている人が多く、タイトルに「〇〇山に登ってきた」などの山の名前を入れることが鉄則です。そして、山の情報を調べてきた人に、登山口までの行き方、登山口の場所、登った時間、季節と混雑具合、分岐や難所、登頂までの時間など、重要な情報を伝えることが大切です。それは、言葉や文字にすると伝わりやすく、動画には積極的に喋りやキャプション※を入れていきましょう。
※キャプション:文字を動画に埋め込むこと



見る人を引き込む登山動画の撮影手法とは

■視聴者を飽きさせないために喋る


人を引き込む為には、視聴者が知りたがっている情報を伝えることが重要です。登山動画でもそれは鉄則で、実況者として喋り続けると、情報を伝える良い動画になります。しかし、喋ることが苦手で、自分の顔も動画に出したくない人もいるでしょう。そのような場合でも、いくつか方法が有ります。まず、第一に考えられるのはキャプションの埋め込みです。喋るタイミングに合わせて字幕を乗せれば、音声をオフにしても何を伝えているのか理解できます。また、無料で使える自動音声ソフトを使用するのも良い方法です。自分が喋る代わりに、テキストを読み上げてくれるので、トークが苦手な人でも問題有りません。

無料:フリーソフト/自動音声ソフト、ソフトーク
有料:


■自撮り棒で自分を撮影する


綺麗な山の風景を動画にしても、ダラダラと長い退屈なものになります。そこで、多くのアングルから、登山中の自分を撮影しましょう。かんたんな方法の1つとして、カメラを地面に置き、まっすぐ進むことです。後でカメラを回収する手間がかかりますが、視聴者が一緒に登山している感覚になれる優れたアングルです。また、自撮り棒を使い、低いアングルから取り続けるのもいいでしょう。顔だけでなく、足の運びや、登山道の岩や木の根など、低いアングルは目線が変わって、視聴者の興味を引くことが出来ます。そして、自撮り棒で自分を撮影するのも忘れてはいけません。自然の綺麗な景色だけでは、長く視聴するのは苦痛になってしまいます。人間の顔は、人が認識するべき対象として、とてもインパクトの有るものです。自撮り棒で積極的に自分自身を撮影しましょう。頂上では、自撮り棒をもって1回転するなどすれば、360度のパノラマを動画に残すことが出来ます。


■アクションカメラとジンバルはあると便利


登山の動画を撮影するなら、スマホやコンデジだけでなく、アクションカメラも有ると便利です。Goproなどのアクションカメラは、登山に適した機能が充実しています。例えば、衝撃に強いハウジングは、落下させても安心ですし、広角レンズは山の景色を収めるのに最適です。自撮り棒にアクションカメラを取り付けるのもいいですが、ジンバルがあると、より便利です。ジンバルは手ブレを抑え、安定した動画を撮影するのに最高の道具です。歩きながら撮影したり、リュックのショルダーに備え付けたりすると、面白い動画が撮影できるでしょう。

■タイムラプスは積極的に使う


三脚などでカメラを固定して、一定時間の動画を撮影しておきましょう。編集で早回しすることで、ゆっくりとした雲の動きが早くなったり、星が素早く回転するようなタイムラプス動画にすることができます。タイムラプス動画は、人間の目では認識できない、時間の経過を表現する手法です。視聴者は「山で雲はこんなふうに動くのか!」とか「星って、こんなに綺麗なのか!」と驚くでしょう。

GoPro7はタイムラプス対応


■登山口・分岐・難所は必ず撮影する


登山動画で忘れてはいけないのは、視聴者目線です。視聴者を意識して動画を作ることで、見やすく面白いものが作れます。視聴者の求めている情報を提供しましょう。たとえそれが、自分にとって常識でつまらないことかもしたとしても、有用な情報は必ず抑えておきます。

  1. 登山口 登山口までの道や場所、駐車場の在処は視聴者の求めている情報の1つです。
  2. 分岐  登山中に道迷いにならないために、分岐点を動画で撮影します。
  3. 難所  岩場や鎖場など、難所は動画のハイライトになるだけでなく、視聴者にとっても貴重な情報です。

この3つは、必ず意識して撮影しておきます。

■ピントをフォーカスするテクニック


一眼レフカメラを登山で使用するならば、ぜひ取り入れたいテクニックがピントのフォーカスです。例えば、稜線に出て、広い展望が見えたときなど、ただ、それを撮影しても効果はありません。綺麗な景色だけでは、視聴者を引きつけるのは難しく、工夫が必要になります。そこで、まず、手前の草や樹木など、近景にピントを合わせます。それから、ピントを奥にフォーカスして、広大な山の景色を写します。このようにピントを動かすことで、視聴者の興味を引くことができる動画にできます。





登山動画の編集方法と編集ソフト

■無料で使える編集ソフト


編集ソフトは、様々なものが有り、機能もいろいろです。ここでは、代表的な無料ソフトと、有料ソフトを紹介します。

●ウィンドウズムービーエディター

ウィンドウズが提供している、無料の動画編集ソフトです。動画フォルダを指定するだけで、自動で動画をある程度まで作成してくれます。そこから自分でトリミング(使いたい部分を指定)するのですが、このソフトの特徴は音楽に合わせて時間を調節してくれることです。予め用意されている数種類のBGMから1つを選ぶことで、その音楽に合わせて場面を切り替えてくれる機能です。コンマ何秒の単位で調節してくれるので、人間が操作するよりリズムに合わせた動画を作成してくれます。問題は、ソフトの要求するCPUとメモリのスペックが高く、フリーズを起こしやすいことです。ウィンドウズユーザーの方はぜひ使ってみると良いでしょう。

●無料で高機能なAviutl

最も有名な動画編集ソフトがAviutlです。無料ですが、有志が開発した様々な機能で強化されており、スペックの低いパソコンでもこだわりの動画を作成できます。デメリットは、開発が複数で行われているので、使いこなすには勉強が必要になることです。複雑なインストール手順や設定など、HPを参考に1歩ずつ進めていかなければいけません。

●MacやiPhoneで動画編集するならiMovie

アップルユーザーなら、標準で備わっている動画編集ソフトiMovieが利用できます。フィルターやサウンドなど、アップルらしい美しい動画を作成するのに向いています。


■有料編集ソフト


有料編集ソフトにも多くの選択肢が有り、また、日々進化していきます。動画編集ソフトの開発は日々進化しているので、せっかく購入しても時間とともに時代遅れになるリスクがあります。

●プロ向け最高峰の動画編集ソフトAdobe Premiere

動画編集を極めたいのであれば、Premiere Pro。映画やテレビのプロが使用する、動画編集ソフトの最高峰です。月額購入が基本で2480円〜になります。
個人向けに基本的機能が揃っているPremire Elementsもあります。


●国内シェアNo.1のPowerDirector

PowerDirectorは個人が動画編集する、基本的な機能が揃っています。使いやすいインターフェイスが特徴で、すぐに動画編集を始めたいならおすすめです。オーディオ編集や、色調の補正など、充実の機能が揃っているので、使いこなすほど動画編集のレベルが上がっていくのを実感できるでしょう。



編集の鉄則は4つ

■キャプションと効果音とリズム


キャプションで情報を伝えるのは、先述したとおりですが、そこに効果音をつけることで、リズムを生み出すことが出来ます。無料の効果音でいいので、キャプションの中でも重要なものや、ダラダラとしたリズムに変化を入れたいときなど、効果音を積極的に使います。

■サムネイルとオープニング


視聴者に見てもらうためには、サムネイルにもこだわります。そして、そのサムネイルにつながるようなオープニングを入れると良いでしょう。ポイントは、出し惜しみをしないことです。視聴者は動画をすべて見るかどうかを、最初の数秒で判断します。その為、サムネイルやオープニングには、その動画の核心的な部分や、最高の1枚を使用します。視聴者の興味を引き、動画を見てもらうためには、冒頭部分にこだわりましょう。サムネイルにも、人を引きつけるような文字を挿入するべきです。タイトルだけでなく「まさかのトラブル発生!?」とか「山頂独り占めの大絶景!!」など、その動画の最高の部分を説明します。

■失敗やトラブルは美味しいネタ


物語は山と谷が有る方が面白いです。登山は準備通り、問題なく終えるのが理想ですが、それは見る方はつまらないと感じるでしょう。そこで、些細なトラブルでも、強調して伝えることです。例えば、予定より1時間長く寝てしまた!とか、思ったよりも体力的にキツかった!などです。「こうすればよかった!」と苦しむ姿は、笑いに繋がりますし、視聴者の参考になります。「では、自分はこうしよう」とトラブルを避けることができるからです。やりすぎない程度に、痛い目にあったら、それを動画にしましょう。バラエティ番組は、大体この手法で出来ています。

■参考になる動画作成者を発見する


理想的な動画を発見することが、動画作成の技術を上げる最も有力な方法です。Youtubeなどを閲覧して「この人の動画が好きだ」と思ったら、チャンネル登録をして参考にしましょう。人のマネをすることが、もっとも実力を上げる方法です。動画編集でも、最初はやり方がわからなくても、徐々にレベルアップすることで、いつの間にか自分の動画を見て「好きだ」と感じてくれる人が増えてきます。それはチャンネル登録者数という数字で現れます。自分の登山動画が認められるとわかってくると、登山も楽しくなり、動画作成にもやりがいが生まれます。






まとめ

  1. 登山動画はリズムよくまとめる
  2. 人間をなるべく撮影する
  3. 喋りやキャプションで情報量を増やす