登山にオススメ行動食7選。1g毎カロリー1位はブラックサンダー

シャリバテせずに快適な登山を楽しむ為には行動食が大切。コンパクトかつ携帯に便利で、手軽に食べる事のできる高カロリーな行動食の選び方がポイント。販売されている多彩な食材も効率的ですが、手間をかけて自分好みの美味しい行動食を作ってみるのもおすすめです。

登山で行動食が大切な理由

登山は起伏の激しい山道を長時間歩き続けるため、大量のエネルギーが必要です。「バテたな」と感じたら、すぐに行動食を食べて栄養補給をしないと、高山病や最悪の場合は疲労による遭難を引き起こします。快適に登山する上で、行動食は必需品です。

■登山と行動食


登山は予想以上に体力を消耗させます。例えば体重60kgの男性が、10kgのザックを背負って約6時間山を登り続けると、およそ3660Kcalのエネルギーを消費。これに成人男性が1日で必要とする基礎代謝を加えると、軽く5000kcalが必要です。もしも、そのエネルギーを十分補給しないと、すぐにシャリバテを起こします。シャリバテが、実は疲労遭難の一歩手前の状態であることはあまり知られていません。毎年警察庁から発表されている「山岳遭難の概況」を見ても明らかなように、登山は野外活動の中で最も危険なスポーツの一つです。平地での疲労や空腹と、登山中のシャリバテは全く性質が異なり、一歩間違うと命を落としかねません。行動食はそれほど重要です。

■行動食の条件


行動食に必要な条件は次の通りです。

  1. 取り出し易い
  2. 食べ易い
  3. 体力の回復が早い
  4. そのまま食べられる(調理不要)

また、万が一、登山中に怪我等で行動不能の状態に陥っても、一定期間は命をつなぎとめることの出来る「救急食」が行動食の条件です。

選び方と携行のポイント

行動食を食べ易くする為には携行方法を工夫し、効率良く体力回復をする為には食材の選択が大切です。

■選び方


行動食の選び方のポイントは以下の通りです。

  1. 栄養価が高い
  2. 塩分も摂取できる
  3. 持ち運びがし易い(軽量・コンパクト)
  4. 手頃な価格
  5. ごみがコンパクト

また、行動食を選ぶ上で、ひとつ提案したいのが「手作り行動食」。味も自分好みで作ることが出来る上に、家庭にある食材を利用することが可能です。コストカットにつながるだけでなく、万が一シャリバテ時など食欲を無くした場合を想定して、最も自分好みの非常食を作る事が出来ます。

手作り行動食の一例が次の通り。

  1. 赤飯おにぎり
  2. 手作りクッキー
  3. 手作り乾燥芋など

ちょっと手間をかけるだけで、自分好みの美味しく栄養価の高い行動食を用意できます。

■携行・収納


歩きながら、食べるには、「食材を簡単に取り出せる」ことが大切です。そこで、予め食材を取り出し易く工夫しておく事で、歩きながらでも簡単に食事が出来るようになります。携帯・収納を工夫するポイントは次の通りです。

  1. 最も取り出し易いのはアウターのポケットかウエストバック。
    ※断熱性の小さなパックに入れておく(食材の崩れ・熱で溶けるのを防止する為)
  2. 予備の行動食は小分けしてザックの中に収納。
  3. 飽きないように食材を工夫。
    ※甘み・塩味・ジェルタイプなど数種類の味や食感を用意。

疲労が溜まると体、特に脳が糖分を欲しがります。けれど、糖分や炭水化物だけでなく、塩分補給がバテた体の体力回復には必要不可欠。行動食は味のバランスとグミやジェルなど食感にもこだわって携行しましょう。予備の行動食を持ち運ぶ上で、もう一つのポイントは、入れ物や容器を上手に使うこと。予備の行動食は次の容器に入れると便利です。

  1. 小分けできる小さなタッパー
  2. 汁が漏れない小さめのジップロック
  3. 100均に売っている透明の「ナルゲンボトル」
  4. 飲み干したミニサイズのペットボトル

身近にある容器や100均商品などをうまく使って、行動食を小分けにして運べます。

■食べ方


行動食の食べ方のポイントは次の通りです。

  1. こまめに食べる
  2. 少量ずつ食べる
  3. お腹が空く前に食べる
  4. 自分のペースで食べる

※基礎代謝量は人それぞれ違います。行動食を食べるタイミングをパートナーやグループで揃えることは不要です。


おすすめの行動食7選

コンパクトでかつ携帯性に優れ、栄養価の高い、そんなおすすめの行動食は次の通りです。

■大人気「ブラックサンダー」


概要
1994年、有楽製菓より販売開始された人気商品。「黒い雷神」を意味するブラックサンダーは、ココア風味のクランチをチョコレートで固めた甘いお菓子です。2003年にリニューアルされたパッケージには「若い女性に大ヒット中!」のパッケージがある通り、子供だけでなく若者をターゲットに開発生産されています。程よい甘さとココアの風味に加え、食べやすさと持ち運びの便利さで行動食に最適。1gあたりのカロリー数は5.33kcal/gとオススメ7選の中では最高。ドラッグストアーはもちろん、スーパーや各コンビニでも購入可能。

商品名
ブラックサンダー 20個入り

価格
430円(税別)

重量
21g/1本

カロリー
112kcal/1本

■クッキーの定番「カントリーマアム」


概要
不二家が1984年に発売した大人気商品。名前の由来は「田舎のお母さん」。カカオマスにカカオバターをたっぷり詰め込み、本物のチョコチップのおいしさを生のまま閉じ込めた、舌触りの良い本物クッキー。外側を普通のクッキーで覆い、中身にチョコクッキー入りのクッキーを挟んでいます。手作り感一杯の素朴なクッキーながら、原材料に「白あん」を用いるなど随所に工夫がされています。山中ではちょっと不可能ですが、電子レンジで加熱すると、焼きたてほやほやの風味や香りが漂うカントリーマアムは、登山の行動食として最適の甘い食品です。

商品名
カントリーマアム

価格
レギュラーサイズ300円(税別)
ポケットサイズ120円(税別)

重量
10.5g/1枚

カロリー
50kcal/1枚

■定番の栄養補給食品「カロリーメイト」


概要
1983年大塚製薬から発売された定番のロングセラー栄養補給食品がカロリーメイトです。「栄養補給食品と言えばカロリーメイト」と評されるほど、世間に定着した人気商品。その成分は人間にとって必要不可欠なタンパク質・糖質・脂質・各種ビタミン類・ミネラルがバランス良くミックスされています。味もバラエティに富んでおり、チーズ味・ミルク味・コーヒー味・フルーツ味・チョコレート味と実に様々。ブロックタイプが一般的ですが、缶入りのスープタイプやゼリー飲料タイプも販売されています。パッケージには低カロリーと表示してありますが、栄養豊富で登山の行動食としても最適です。

商品名
カロリーメイト ブロックタイプ

価格
210円/1箱(税別)

重量
80g/1箱(4本入)

カロリー
100kcal/1本(ブロックタイプ)
200kcal/1袋(スープタイプとゼリータイプ)

■登山食定番の羊羹「井村屋のえいようかん」


概要
ウエストバックに入れて置くには、ちょうど良いサイズのミニ羊羹。各種コンビニやスーパーで販売しています。口当たりと腹持ちの良さから登山食として優れている羊羹ですが、中でも井村屋から販売されている茶色い箱の「えいようかん」は特におすすめ。1本あたり60gという軽さでありながら、171キロカロリーという高栄養の食品です。特筆すべきは、保存期間が5年間もあること。登山の行動食としてはもちろん、緊急災害用としても利用可能です。また「えいようかん」の特徴の一つとして、フィルムを引っ張るだけでパッケージを開けることが出来ます。従って片手で開けることが可能なため、行動中でも安心して開封できるので大変便利です。

商品名
井村屋「えいようかん」(5本入り)

参考小売価格
194円(税込)

重量
60g/1本

カロリー
171kcal/1本

■栄養価たっぷりの「セブドライマンゴー」


概要
フィリピン・セブ島産の良質なマンゴーを原料に作られた健康ドライフルーツ。栄養価も高く、食物繊維が豊富に含まれた「セブドライマンゴー」は毎日の健康作りに役立つだけでなく、登山の行動食としてもぜひおすすめの食材です。そのまま食べても十分美味しい商品ですが、ヨーグルトなどに混ぜて食べると、食事のバリエーションが増えます。単調になりがちな登山の食事に彩りを添えるだけでなく、マンゴーの甘い食味が、疲れた体のエネルギー補給に十分役立ちます。

商品名
オーバーシーズ「セブドライマンゴー」

参考小売価格
314円(税込)

重量
100g/1袋 

カロリー
380kcal/1袋

■飲みやすい「inゼリー」


概要
かつては「ウイダーinゼリー」の名称で販売されていた、森永製菓のゼリー飲料。現在はウィダーの名前を外し、「inゼリー」として販売されています。登山中の水分補給と素早い栄養補給が同時に可能です。味もマスカットやグレープフルーツ、グレープ味、レモンフレーバーと各種ラインアップされています。また栄養補給の目的別に、エネルギー、マルチビタミン、マルチミネラル、プロテイン、など様々なタイプが用意され、中には「10秒チャージ元気を補給」をキャッチコピーにした「ローヤルゼリー」等の商品も同時販売。宣伝文句とともに一躍有名になった「inゼリー」は登山の行動食として優れています。

商品名
森永製菓「inゼリー」 

参考小売価格
200円(税別)~
「スーパーエネルギー」「スーパープロテイン」は300円(税別)

重量
120g~180g/1袋 

カロリー
90~180kcal/袋
※「スーパーエネルギー」は200kcal

■持ち運び便利な「魚肉ソーセージ」


概要
行動食として持ち運びに便利なのが「魚肉ソーセージ」。その中でも特にマルハの「1秒OPENおさかなソーセージ」がおすすめ。食べ易く、ハサミ無しで簡単に開ける事が出来ます。主原料は魚なのでタンパク質・カルシウムも豊富。そのままおかずや昼食・夕食の材料としても活用可能。子供にも人気。

商品名
マルハニチロ「1秒OPENおさかなソーセージ」(4本入り)

参考小売価格
320円(税抜)

重量
75g/1本 

カロリー
129kcal/1本

手作り行動食のレシピ

登山の食料に手作りの行動食を一品加えるだけで、山行の思い出もまた格別なものに変わります。栄養満点で、腹持ちの良い行動食をご紹介します。

■茎ワカメ入り赤飯おにぎり


作り方は至って簡単です。腹持ちも良く、茎ワカメのシャキシャキ感と胡麻の風味が程よくミックスされて、登山のエネルギー補給にオススメです。

用意するもの
おにぎり一個分の赤飯/海苔一巻き/胡麻大さじ2/みりんと醤油で煮た1cm大の茎ワカメ半カップ

作り方

  1. 赤飯1個分のご飯に胡麻と茎ワカメをよく混ぜ合わせる。
  2. ①を三角に握り、海苔一巻きでぐるりと巻いて握り直す。
  3. ラップでくるめば「茎ワカメ入り赤飯おにぎり」の出来上がりです。

■オリジナルトレイルミックスの作り方


アーモンドやナッツ類などのトレイルミックス。そこにレーズンやクランベリーなどのドライフルーツを混ぜ合わせ、オリジナルトレイルミックスを作ってみてはいかがですか。

※注:「トレイルミックス」とはアウトドアや登山などで食べる栄養価の高い食事の事)

材料
ナッツ類(アーモンド・ピーナッツなど)
ドライフルーツ(レーズン・クランベリー・ブルーベリーなど)
種類(ひまわりの種など)

作り方

  1. 材料を混ぜ合わせて小袋やミニサイズのペットボトルに収納するだけで完成です。
  2. ただ混ぜ合わせるだけでは物足りない方は、ハチミツ大さじ1杯とオリーブオイルを加えて「ハニーオイル漬け」が完成。好みによってシナモンや黒胡椒を振り掛けても別の風味が出ます。小さなタッパーに入れて冷蔵庫で一晩寝かせれば完成です。





まとめ

  1. 登山で行動食はシャリバテ防止の為にも必携品。
  2. 行動食は命を救う、万が一の時の非常食。
  3. 登山用行動食を選ぶなら軽量かつコンパクトな食べ物を。
  4. 行動食には自分好みの手作り行動食もおすすめ。

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