重厚なストーリーから日常系まで！幅広い登山漫画の世界
登山漫画と一口で言っても、幅広い作品が数多く発表されているジャンルです。壮大なスケールでエベレストを描いたものから、初心者が近くの山を、恐る恐る登り始めるエッセイ漫画まで、その魅力は多岐に渡っています。そこで、シリアスなストーリーが魅力の作品と、ふんわりとした等身大の世界観の作品に分けて、ご紹介致します。その中でも人気が高く、誰にでもオススメできる3作品から見ていきましょう。
誰にでもおすすめできる登山漫画の定番トップ3
■神々の山嶺
エベレスト初登頂は誰なのか？その謎に迫る1台のコダックを手にしたカメラマン、深町誠の目線で語られるストーリーです。現実に存在する登山界の謎を追い、伝説の登山家、羽生丈二の人生とクライミングが描かれています。荘厳な山の美しさを表現する、谷口ジローの筆力と、自らも登山を愛する原作夢枕獏のコンビが生み出した、登山漫画の金字塔的作品です。物語はカメラマン深町の目線で、伝説の登山家羽生が客観的に描かれているので、リアル感が高く、山に対する情熱が表現されています。終盤のクライマックスで、すべての伏線が収束して行くのは、圧巻。簡単には行けないエベレストを体感できる作品です。
発表期間
2000〜2003年
巻数
全5巻（完結）
作者/作画
谷口 ジロー
原作
夢枕獏
出版社
集英社
シリアス系山漫画
山を想う人間達のドラマは、読者を極限の世界へといざなってくれます。やや古い作品が多いですが、作者の熱量が伝わってくるような、ハードボイルドな登山漫画です。
■孤高の人
原作は新田次郎の小説ですが、漫画とはストーリーが異なっており、小説はあくまで「モデルとなった作品」といえるでしょう。実在した登山家、加藤文太郎をモデルにしています。孤高の人は、そのタイトルからもわかるとおり、クライミングをテーマに、人間の孤独について描かれています。山を愛する人間が、どこまで孤独でいられるのか？また、その孤独を失ったら、その人間はどうなってしまうのか？主人公の葛藤が胸に響きます。「岳」を陽とするならば、「孤高の人」は徹底した陰です。人間社会に渦巻く、ネガティブな感情と、容赦のない自然。孤独の強さと弱さが実感できる作品です。
発表期間
2007〜2011年
巻数
全17巻（完結）
作者
坂本 眞一
出版社
集英社
ほのぼの日常系登山漫画
山漫画の良さは、なにもエベレストに挑戦するようなものばかりではありません。日常生活と登山が絡む作品にも名作がたくさんあります。
■ハイジと山男
山小屋を舞台とした恋愛漫画です。少女漫画として山を題材にしている独特な作品。山小屋の雰囲気や大変さが良く表現されており、頑張る主人公ハイジに共感します。登山のリアリティは少な目ですが、少女漫画好きにはオススメ。
発表期間
2015年
巻数
全3巻（完結）
作者
安藤 なつみ
出版社
BE・LOVE・KC
■でこでこてっぺん
登山雑誌「山と渓谷」で連載する、ほっこりとしたコミカルな作品です。かなりの長期連載で300回以上続いています。絵がシンプルな線で書かれていて、読んでいて疲れないのが特徴です。それでいて作者の山ネタが面白く、登山好きは共感できます。
発表期間
1993年〜
巻数
1巻（2019年1月現在）
作者
ゲキ
出版社
山と渓谷社
■人生山あり谷口
これまでの登山漫画と大きく違う、ネガティブな作者が主人公です。何となくネタのために山に登り始め、人生の苦難を噛み締めつつ、気づいたら山に救われていきます。その経過が読んでいて、面白く、引き込まれてしまいます。最終話も無料公開しているので、ぜひ読んでほしい作品です。
発表期間
2014〜2015年
巻数
全1巻（完結）
作者
谷口 菜津子
出版社
リイド社
■山登りはじめました
作者が徐々に登山レベルを上げて行くという、初心者におすすめのエッセイ漫画です。物語よりも山ごとの情報が明るく多めに書かれているので、山のガイドブックとしても使えます。とにかく絵柄が可愛いいのが特徴です。山登りを始めようか迷ってる人の背中を押してくれる作品です。
発表期間
2009〜2011年
巻数
全2巻（完結）
作者
鈴木 ともこ
出版社
KADOKAWA
まとめ
- 登山漫画には、知らなかった山の世界が見えてくる面白さが有る
- 山に登れない時は、登山漫画がおすすめ
