登山に必要な装備品の調達に、専用品は高価な為、100均ショップ活用は極めて有効。「レトルト食品」や「固形燃料」など、豊富な小物類も活用次第では専門ショップの商品と比べて殆ど遜色ありません。性能は劣るが、割り切って使えば低価格で安心な登山装備品です。
100均グッズを登山で活用する
登山専門店で販売している装備品は、機能や性能に優れていますが、総じて高価。安全に関わる装備以外を100均ショップで購入する事で、安価に調達する事が可能です。ただし、ザックや登山靴、アウター・雨具などの基本装備は安全面から専門店で購入すべきです。クッキングギアやカップ類などの小物類の購入に100均ショップを利用しましょう。
■高価な登山装備品
登山専門店で販売している装備品は、機能や性能に優れていますが、総じて高価。安全に関わる装備以外を100均ショップで購入する事で、安価に調達する事が可能です。ただし、ザックや登山靴、アウター・雨具などの基本装備は安全面から専門店で購入すべきです。クッキングギアやカップ類などの小物類の購入に100均ショップを利用しましょう。
専門店と100均ショップの価格差の実例は以下の通り。
- マグカップ(専門店:平均1000円以上→100均:100円)
- 断熱銀マット(専門店:最低2000円→100均:100円~200円)
- クッキング鍋(専門店:標準で約5000円→100均:100円)
- レトルトご飯(専門店:3個パックで最低500円以上 → 100均:2個パック100円)
価格の差は歴然です。価格に比例して性能は劣るので割り切った上で利用しましょう。
■店舗数の多い100均ショップ
専門店に比べて、100均ショップは店舗数が多く便利です。地方都市に多い、独立型の大型店舗は品揃えが豊富。イオンやダイエーなど大型商業施設に出店している店舗は規模が小さい場合も有ります。一部の店は深夜まで営業。
■100均利用上のポイント
100均商品の特徴は、まず何と言っても低価格です。品質も、各社間の競争と商品の継続的な改良で、当初より高くなって来ました。商品によっては、価格を200円~500円として、品質を高めた商品も有りますが、専門店に比べて性能は劣ります。100均商品を登山で活用する注意点は以下の通りです。
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カトラリーや付属の小物類、食料品に限定する。
※カトラリー 料理を注ぐ器などに使用されるカップ - 登山靴や雨具、縦走用のザックなど基本装備は、安全性を考えて専門店で購入。
- 性能がやや劣るので、一回限りの「使い捨て」として割り切って利用する。
- チェーン店によって品揃えが豊富な分野が違うので、店を使い分ける。
■各チェーン店の特徴
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「ダイソー」
業界最大手。食料品の品揃えが圧倒的。調味料はもちろん、真空パックのカレーやシチュウ、牛めしなど登山に活用出来る食材が豊富。 -
「セリア」
医療品が豊富。キズ板だけでも10数種類。包帯やテーピングテープも充実。 -
「CanDo」
靴下や衣類が豊富。縫製や素材にも力を入れており、登山用としても活用可能。
100均衣類を登山で活用
登山の行動着は継続的な活動を可能にする為に、速乾・撥水・防風等の性能が求められます。しかし、行動着以外であれば、防寒を補完する役割で100均衣料品でも活用出来ます。
■靴下と手袋
100均商品でぜひおすすめしたいのが防寒靴下と手袋です。厚手で化繊の靴下は、テント泊時に重ね履きすると保温性は抜群。化繊なので乾きが早く、2泊・3泊と縦走で登山する場合にも重宝します。また、100均の手袋は熱いシェラカップや調理器具の取っ手を握るための「断熱手袋」として代用可能です。晩秋に低山の稜線歩きをする程度であれば、100均の化繊の手袋で代用出来ます。値段が安いので数セットまとめて買っておけば、家族や登山仲間用として分けてあげることも可能。
■下山後の着替えとして
登山時の下着は速乾性の高い化繊が原則です。下山後であれば、着替えとして100均下着は至って便利。価格も100円なので、割り切って、汚れたら捨てて荷物を減らす選択肢も。
■ポケット雨合羽
稜線歩きの途中に、突然のにわか雨はつきもの。そんな時にザックからレインウェアを取り出すのは面倒です。そこで、ウエストベルトに100均の雨合羽を一個入れて置きましょう。自転車通学用として、やや大きめの100均雨合羽が販売されています。耐久性は劣りますが、畳むとコンパクト。ザックカバー兼簡易雨具として、軽い雨なら問題なく対応出来ます。100均商品で揃えられる登山衣類の一例は以上です。しかし、その一方で登山時に着用する登山用靴下と雨具だけは登山専用品をご利用下さい。靴下と雨具は安全に直結するので、耐久性や保温性等の高い性能が求められるからです。
100均グッズで揃える登山装備
100均ショップには登山装備品として活用出来る小物類が充実しています。
■豊富な救急医療品
登山携行品として最低限の救急医療品は必要。キズ板や包帯、テーピングテープなど、専門のドラッグストアに引けを取らない位、救急医療の商品が充実しています。そんな中でキズ板と包帯は特におすすめです。中級者でも長時間の登下降でまれに靴擦れを起こします。靴擦れは放っておくと歩行不能を招きます。そんな時に100均のキズ板で靴擦れした箇所に応急手当。痛みを軽減します。包帯も同様。岩場の登り降りで出血を伴う擦過傷や切り傷を負う可能性が有ります。ドラッグストアでは500円程度する包帯が、100均ではずばり100円です。万が一に備え、100均の包帯を持参しましょう。
■便利な小物グッズ
テント泊ではライターやカラビナなどの小物グッズが必須です。しかも、そのほぼ全てを100均で購入することが可能。100均ショップでおすすめの登山用小物は以下の通りです。
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防水ケース
小雨程度の使用なら全く問題なし。ザック内に収納すれば、紙幣やチケットなど貴重品入れとして十分使用に耐えます。 -
固形燃料と着火剤、ライター
テント内での調理に必須の固形燃料や着火剤、ライターは100均で購入しましょう。いずれも3個4個とひとパッケージの個数が多く、実にリーズナブル。他のショップでは1個百数十円で売っているライターや固形燃料が、100均ではたったの100円で複数個購入できます。 -
写真用三脚
ほぼどの100均ショップにも販売しているのが、写真撮影用のミニ三脚。100均ショップにある、写真撮影用のミニ三脚はコンパクトなものが多いので、ウエストバックにも収納可能。自撮りの際にも便利です。 -
携帯充電ケーブル
携帯電話の充電ケーブルは家電量販店で買うと、価格は最低でも1,000円以上。それに比べると100均なら定価は100円か200円です。また、登山携行品として専用に購入しておけば忘れる心配もありません。
登山に携帯電話の携行は必須です。GPS機能で、遭難時の位置情報を瞬時に確認できます。そんな時のためにも、携帯電話の充電はこまめにすべきです。登山専用の充電ケーブルがあれば、電源のある場所でいつでも充電可能です。
100均で揃える食料・飲料水
100均売り場には、調味料も含め、登山に持参可能な食料品が、多数販売されています。ほぼ、生鮮食料品以外の全ての食材が調達可能です。
■おすすめ行動食
- ドライフルーツ:黒糖バナナチップやカシューナッツ、フルーツグラノーラまで。
- ミニ羊羹:昔から登山の行動食として定番の和菓子。疲れた時に最高です。
- キャンディー:ウエストバッグに数個、疲れる前に口に放り込めばバテ知らず。
- クッキー、ウェハース:小休止の際、仲間に分けてあげると喜ばれます。
■100均食料で作る登山食
登山の大きな楽しみの一つが山飯。100均で販売している次の食材で、十分美味しい食事が作れます。
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レトルトご飯+真空パックで簡単リゾット
100均で3個パックのレトルトご飯。1泊程度の登山なら、主食はそれだけで十分。レトルト米にシチューやカレー、牛飯や親子丼などの「調理済み真空パック」のおかずを乗せるだけで、実に豪華な夕餉や朝食が出来上がりです。 -
「早ゆでペンネ」と「まぜりゃんせ」で高級パスタ
燃料節約に優れものの「早ゆでペンネ」と混ぜるだけで食べられる「まぜりゃんせ」。どちらも100均で取り扱っている人気商品。「まぜりゃんせ」は味も豊富で、数種類持って行けば飽きもきません。高級パスタがいとも簡単に出来上がります。
また、汁ものが好きなら、棒状ラーメンや即席味噌汁、粉状スープも100均で購入可能。特にスープ類は、軽くてコンパクトに収納できるのでおすすめです。
■100均飲料でホッと一息
登山に出かけたら、山頂で飲む一杯のコーヒーが格別。コーヒーに限らず温かい飲み物は体の疲労を回復させます。そんな時に持参したいのが100均の飲み物シリーズ。スティクタイプで、コンパクト。ココアやミルクティ、抹茶に昆布茶など種類も豊富。
まとめ
- 100均ショップは、身近にある低価格の便利なショップ
- 100均グッズの活用は、コストカットと調達の利便性向上を図る。
- 100均グッズを登山装備品として上手に使う際には、ポイントと注意点がある。