登山靴には、登山の目的や用途に応じた多彩な商品がラインナップされています。登りたいと考えている山のレベルや目的等に応じて登山靴を選ぶ必要があります。この記事では登山初心者の女性が快適な登山を楽しむ為に、女性ならではの靴選びの知識と方法をご紹介します。
登山靴を履く理由
スニーカーや運動靴での登山は、事故の確率を高め、危険です。登山靴を履く理由を説明致します。
- 危険防止
登山初心者は山の歩き方に不慣れです。山中の怪我で最も多いのが足首をひねっての捻挫。登山靴を履く事で、足首を安定させ最も危険な捻挫・骨折のリスクを下げる事が出来ます。また、つま先の怪我防止にもつながります。 - 歩き易い
特に初心者は濡れた岩の上やガレ場の歩行が困難です。登山靴の靴底は歩き易いように工夫され、長時間の歩行が可能です。 - 快適
衝撃吸収性や防水透湿性がスニーカーや運動靴に比べて、格段に優れています。もし、登山の途中で雨が降っても足を濡らさずに済みます。 - 疲労の軽減
登山靴の中に、クッション性や衝撃吸収性の高いインソールを入れておくと、頑丈な靴底とともに足の疲労を軽減してくれます。 - 耐久性が高い
山中の路面は過酷です。運動靴では靴底が突然剥がれて歩行困難になる可能性が有ります。登山靴は山中を想定されて作られており、耐久性が高いです。
基礎知識
■登山靴の構造
- ソール(靴底)
特別な溝を施して、グリップ力を高めている為、滑りにくいです。余分な力を使わずに、バランス良く様々な形をした岩の上を歩くことが可能。つま先だけでも軽く、岩棚の小さなスペースに立ち易いです。固くて厚く、登山道の衝撃が直接、足に伝わるのを防ぎます。
「ビブラムソール」などが有名。 - アッパー(靴底を除いた靴の外側全体)
分厚い素材で作られており、岩当たっての怪我を防ぎます。透湿・防水性が高く、快適に登山することが可能。足首まで覆われ、捻挫や骨折を予防します。
■各登山靴の種類
- ローカット
ハイキングや低山トレッキングに最適。無雪期(晩春から秋口まで)に向いた靴。登山初心者向きで履きやすいのがメリット。足首の保護が無い分、捻挫を予防する機能が弱く、山道で疲れやすいのがデメリット。 - ミドルカット(レギュラー登山靴・一般登山靴とも呼ばれている)
低山から高山まで登山中上級者向けの登山靴。テントを背負って縦走したり、降雪量の少ない雪山登山に出かけたりする時にも使用できるのがメリット。ローカットに比べると足首のホールドやサポートも良い。ハイカットに比べると重量は軽い。 - ハイカット(重登山靴)
重いザックやテントを担いだ縦走登山で履く本格的な登山靴。足のくるぶしまでしっかりホールドしているので本格的な雪山や岩場、悪路の登山道でも歩行可能な点がメリット。ソールも固く最も安心してガレ場※や急斜面など難なく登ることができる。斜面や不安定な岩場でも歩きやすく疲れにくい。デメリットは重量がある為、慣れるまで少し辛い事。
※「ガレ場」とは岩の壁や沢が崩れ、大小様々な大きさの岩や石が散乱している斜面のこと。「ザレ場」と呼ぶこともあるが、ザレよりも石が大きく登山道の傾斜が30度以上急な斜面をガレ場と呼んでいる。
■選び方のポイント
- シューズのタイプで選ぶ
出かける山の高さやレベル、山行日程で選択する。日帰りハイキングや里山トレッキング程度ならローカット、低山以上はミドルカットが最適。将来、テント泊や縦走登山を目指しているならハイカットモデルを選択。 - 素材で選ぶ
雨や水に強く、内部の蒸れがこもらない「防水透湿性素材」のもの。代表的な素材は「ゴアテックス」。それ以外にも各メーカーから防水性が高く、透湿性に優れている素材の登山靴が発売されている。 - ソールで選ぶ
岩場やガレ場、ぬかるみにも対応できる滑りにくく、グリップ力のあるソールを選ぶ。体表的なソールが「ビブラムソール」。弾力と耐久性を兼ね備え、活動性に優れたソールが使われている登山靴を選択する。 - 体力と経験に応じた靴を選ぶ
ハイカットモデル(重登山靴)は丈夫で堅牢だが、相応に重量がある。登山初心者の女性は自分の体力にあった登山靴を選ぶことがポイントの一つ。ローカットは軽いが足首のホールドがないのでミドルカットが登山初心者には適している。 - 靴のサイズは「かかとに指一本が入る隙間」を基本に選ぶ
まず足のサイズを計測。トレッキング用靴下を履いてサイズを計測する。足のサイズより0.5cmから1cm大きめを選択。靴を履き、靴紐をしっかり閉める。つま先を合わせたら、かかとに「指1本」の隙間があるサイズの靴を選ぶ。さらに店内を歩かせてもらい痛みや違和感がないことを必ず確認。
■注意点
- 登山用品専門店で買う
登山靴は一般の靴店やスポーツ店でも購入できますが、専門店で購入しましょう。専門店であれば、登山靴に関する知識の豊富な専門スタッフが登山靴を選んでくれます。後で困ったことがあったり、靴の修理を行ったりする時にも丁寧に対応してくれます。 - 機能も確認する
初心者の女性はデザインのみで選びがちです。登山内容(宿泊有無・歩行時間)に合った機能を備えた中から、好きなデザインの登山靴を選びましょう。 - 試着する
登山靴は買いたい商品を実際に履いて、痛み・違和感の有無を確認してから購入しましょう。また、試し履きは午後の方が良いです。(足は時間が経つとむくむ為)。 - 履き慣らす
購入したら、普段の生活の中でしばらく登山靴を履き慣らして足にフィットさせましょう。山行当日になって初めて梱包から開けて、そのまま登山に出かけると靴擦れなどのトラブルを起こします。 - 購入後の手入れ
機能性の高い登山靴ほど高価です。靴を長持ちさせる為にも登山後は毎回忘れずに手入れを行いましょう。きちんとしたケアを行えば登山靴を長く履け、節約になります。
■登山靴のお手入れ
登山から帰ったら、カビを防ぐ為に、すぐにお手入れをしましょう。
- 外す靴紐を外して、中に入った砂や泥を外に出し、中敷きを外す。
- 落とす登山靴についている汚れを専用のブラシで取り除く。靴底の小石も割り箸などで取ります。
アッパー素材が水洗いできるものは、丁寧に、柔らかいブラシで泥や砂の汚れを洗い落としましょう。
(ゴシゴシと乱暴に洗うと防水性能が低下するので注意) - 乾燥汚れをとったら乾いた布で軽く拭いてから、日陰の風通しの良い場所で十分乾燥させる。(数日から約1間程度)
- 防水良く乾燥させたら「防水スプレー」を吹きかけます。皮製の靴には専用のスプレーや保護クリームを塗りましょう。
- 中敷きを入れて靴紐を閉める。紐や中敷きが傷んでいたら交換しましょう。
- 保管長期保管はインソール(中敷き)を外し、靴の中に丸めた新聞紙を入れておきましょう。できるだけ箱や袋に入れずに、風通しの良い場所で保管するのが重要です。湿気の多い場所や直射日光の当たる場所での保管は避けましょう。また型崩れを防ぐため、靴紐は一番上まで締めておくこともポイントです。
お薦めのレディース登山靴
自分に合ったお気に入りの登山靴を一足選ぶ事が出来ると、登山が楽しくなります。履き心地と機能でオススメの登山靴を2足ご紹介致します。
■履き心地で選ぶならこの一足:キャラバン・トレッキングシューズC1-02S
履き心地が良く。さすがはキャラバン製と言えるモデル。
C1-02Sのおすすめのポイントは次の通り。
- 素材初心者でも履きやすいよう履き口に柔らかなクッション性のある生地を採用。
素材はゴアテックスで防水透湿性に優れている。一日中履いたままでも蒸れません。
雪山専用の重登山靴に比べると靴底やアッパーが多少柔らかく履きやすいです。 - 価格13,000円~15,000円程度の価格と品質の良さでベストセラーモデル。
- 重量ハイカットモデル。重さ590g。サイズは24.5cm~30.0cm。
- 季節春から秋にかけて幅広く使えます。
■軽さと機能性で選ぶならこの一足:スカルパハイドロジェンハイクGTXSC22030
とにかく軽いので疲れにくく初心者向き。女性でも快適な登山を楽しめる定番の商品。
ミドルカットモデルでありながらとにかく軽いトレッキングシューズ。アッパーの素材が薄いのでトレールランニングにも活用でき履きやすいです。
GTXSC22030のおすすめのポイント次の通り。
- ミドルカットモデル。22.5cm~30.3cm。価格は約19,000円以上。
- 重量:428g。ミドルカットモデルとしては軽さに定評あり人気が高いモデル。
- クッション性の高いミッドソール採用。ソールが軟らかく、軽快に歩くことができる。
- ゴアテックスを内蔵しており靴内の蒸れがこもらない。
- ロングトレイルなどにも十分対応可能な素材をアッパー部分に使用。
まとめ
- 登山初心者は岩場やガレ場などの山中の歩行に不慣れ。危険防止の為に登山靴を履く。
- 登山靴は衝撃吸収性・防水透湿性に優れ、快適。
- 登山靴には「ハイカット」「ミドルカット」「ローカット」の3種類がある。登山内容によって選択する。
- 購入の際は登山靴を試着する。登山後のお手入れで登山靴を長持ちさせる。
- 登山初心者の女性におすすめのモデルは2つ。履き心地で選ぶなら「キャラバン・トレッキングシューズ C1-02S」。軽さと機能性で選ぶなら「スカルパハイドロジェンハイクGTXSC22030」。