レイヤー

防寒着は価格じゃない!3層レイヤーで格安の快適登山

登山での防寒着は機能性(特に軽量・保温)を求められます。
高機能の物は高価で、1枚のウエアでは全てを満たせません。
重ね着(ベース、ミドル、アウターの3層レイヤー)をマスターする事で
格安で夏山登山の快適性をアップさせます。




防寒着は重ね着が基本!

■3層の重ね着(レイヤー)


晴天の夏山登山での天候急変。雨、風は体温を奪うので、防寒着は登山でとても重要なアイテムです。そこで、防寒着の基本である、3層の重ね着(レイヤー)を覚えましょう。環境の変化に応じて、脱ぎ着することで体温を維持し、天候の変化に対応する事ができます。
重ね着は大きく分けて

  1. 肌に触れるインナー
  2. 防寒の主役ミドルウェア
  3. 外部と触れるアウター

の3層に分けることができます。それぞれの役割を理解すれば、必ずしも登山専門のウエアである必要はありません。したがって、格安で防寒着をそろえることができます。


■インナーは体にフィットしたものを選ぶ



汗は体を冷やします。肌に直接触れるインナーの役割は、汗の吸収です。
汗を吸収し易く、動き易いよう、体にフィットしたインナーを選びましょう。インナーの素材は化繊がおすすめです。化繊は汗を吸い取っても、体温を奪いません。そして、登山で綿のシャツの利用は避けましょう。着心地は良いですが、汗を吸うと体を冷やすので、余計な体力を使ってしまうからです。
ユニクロやGUなどの速乾性のインナーも使いやすく、手に入りやすい商品です。日常生活で、ヒートテックは快適です。しかし、登山での活動中に求められる速乾性は劣ります。汗を吸収し一時的に暖かくなっても、水分が残っていれば、いつか体を冷やしてしまうでしょう。ですので、ヒートテックを持っていくなら、行動中は使用せず、大休憩や、テントや、山小屋で寝る時に使用しましょう。
インナーの選び方はまとめると次の2点です。

  1. 体にフィットして汗を吸い取ってくれる
  2. 化繊で作られていて汗を乾燥させやすい

この2点をクリアしていれば、登山で使うことができます。また、登山用のインナーには、様々な機能をもつ製品があります。体にフィットするだけでなく、加圧して動きをサポートしてくれるもの。汗を吸い取って蒸発させ、さらに匂いも残らないもの。予算に応じて、機能を使い分けましょう。

防寒の主役!ミドルウェア

■フリースやシャツの選び方



インナーの上に着るフリースや、シャツが防寒の主役、ミドルウェアです。フリースやシャツなど、様々な商品が販売されているので、どれを選べばいいか迷う人もいるでしょう。
ミドルウェアは登山の季節や、山の高度によって、持っていくアイテムを選択します。寒さが予測できるなら、なるべく厚めのフリースとシャツを持っていくといいでしょう。例えば、行動中に汗をかきすぎてしまうと、休憩時に体が冷えて危険です。その為、運動中はシャツだけを着て、休憩中にフリースを着るような重ね着が有効です。
ミドルウェアは、脱ぎ着しやすいものを選びましょう。登山は行動して20分もすれば、すぐに汗をかいてきます。体が「熱い」と感じたら、すぐに脱ぎましょう。逆に強風が吹いたり、休憩中など「寒い」と感じたら、すぐ着ることができるようにするのが大切です。サイズが小さすぎたりすると、脱ぎ着に時間がかかってしまいますので注意しましょう。
具体的には、フロントにチャックがないフリースなどは、状況によっては使えません。チャックがないと、脱ぎ着に時間がかかるばかりか、体温の調節ができないからです。チャックから暖かい体温が逃げないので、保温能力が高いというメリットはありますが、冬山登山でもない限り、そのメリットは小さいです。
まとめるとミドルウェアの選び方は次の2点です

  1. 脱ぎ着しやすいものであること
  2. 動きやすく重ね着しやすいものであること

登山用に作られた製品は、防風性能があったりなど機能的ですが、登山用品でなくても大丈夫。動きやすいものであれば、登山でも使う事ができます。ミドルウェアの機能はあくまで保温です。防風はアウターの仕事なので、必ずしも防風機能がついているものを選ぶことはないのです。


■ユニクロのウルトラライトダウン



最も、防寒能力が高いのがダウンジャケットです。市街地用のダウンの保湿力は、登山用のダウンより低いです。しかし、フリースなどのミドルウェアと重ね着することで、保湿力を総合的に向上させ、体温を維持できます。夏山での天候急変に備える為にも、ダウンジャケットを持参すると安心です。
ユニクロのウルトラライトダウンは市街地用ですが

  1. 軽い
  2. コンパクト

でザックに収納し易く、便利です。登山用のダウンは、軽量でとても保温力に優れています。とくに化繊ではなく、本物のダウンで作られている商品は暖かく、休憩している時など体を冷えから守ってくれるでしょう。ただ、機能的で軽い分、値段が高くなり耐久力も悪い、というデメリットがあります。例えば、どこかに引っ掛けて穴をあけてしまった場合など、そこからダウンが抜けてしまいます。また、水分を吸収すると、ダウンがしぼんでしまい保温力が損なわれます。そのようなダウンのデメリットに対して、化繊でつくられた商品は強いです。保温力のあるナイロンシートで作られているので、ちょっとぐらいの穴が開いても問題ありません。水分にも強く、タフな使用にも耐えてくれます。価格も手に入れやすいのが、化繊のダウンジャケットです。なのでダウンジャケットは、ウルトラライトダウンから始め、化繊→ダウンと必要に応じて、保温力の高いものを選択しましょう。最初から高価なダウンジャケットを買っても、登山レベルが追い付きません。まずは格安で耐久力のある製品を使い、重ね着をして使いこなせるようになりましょう。

防寒にもなるレインウェア




■ゴアテックスの上下の物を選ぶ


登山に絶対必要なアウターがレインウェアです。レインウェアは、雨から濡れるのを防いでくれるだけでなく、強風や休憩時などにも使用できます。雨の日だけでなく、いつでも必ずザックに入れておくべき必須アイテムです。レインウェアはゴアテックス素材で作られているものを選びましょう。ゴアテックスは防水透湿なので、雨を防ぎ蒸れを外に排出してくれます。ですので、レインウェアはゴアテックスでないと中が蒸れてしまい、水分が発生してしまいます。そうなると体温が奪われてしまうので、体を温めようと余計に体力を消耗してしまうのです。そして雨だけでなく、強風からも身を守ってくれます。風は風速1秒ごとに体温を1度奪っていくといわれていて、登山中には急に風速10メートルの強風が吹くこともあります。したがって、絶対に風対策は必要です。そのためにも、レインウエアはすぐに着れるような場所に入れておきましょう。そして、上下セパレートタイプが着脱し易く、便利です。雨や風にさらされてる状況では、1秒でも早くレインウェアを着こむほうが安全です。さっと着れるようにしておきましょう。天気の急変や体温調節にも使えるレインウェアは、防寒着の中でも重要な存在です。よって、ある程度の予算を当てるべきです。

レインウェアを選ぶポイントは以下の2点です

  1. ゴアテックス素材で出来ていること
  2. 上下で分かれていて着やすいこと

■ザックに入れておきたいおすすめのソフトシェル



薄いナイロンなどの素材でできたアウターがソフトシェルです。レインウェアよりも動きやすく軽量ですが、防水性能はあまり高くありません。中途半端な製品に見えるので、必要と感じない人もいるでしょう。ですが、実はとても有用なアイテムです。登山中に体温を奪う風から身を守ってくれますし、適度に蒸気を維持してくれます。行動中だけでなく、休憩中にもずっと着ていられるのです。防寒性能もそれなりにあるので、フリースの代わりにソフトシェルを着ていることもできます。つまり、重ね着をすることで効果を発揮するアウターなのです。軽くて伸縮性があるので、何回も脱ぎ着するのに向いています。気に入ると体の一部のように感じ、山だけではなく、普段でも使いたくなるアウターです。収納すればほとんど場所も取らないので、1つ買っておいても後悔はしないでしょう。つねにザックのポケットに入れておくと、いざというときにも重宝します。トラブル時や、予想よりも寒かった時などに、大活躍してくれる頼もしい存在です。

まとめ

  1. 防寒着は重ね着が基本!
  2. 防寒のコツは脱ぎ着して体温を調節すること
  3. レイヤーの機能と役割を理解すれば格安で揃えられます